日本の医学教育は、卒前・卒後教育ともに大きな変革期にあります。特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構（JAMEP）では、毎年、研修医を対象に基本的臨床能力評価試験（GM-ITE）を実施し、これらの試験結果から、基本的臨床能力を鍛えるための至適な教育環境の姿がわかってきました。例えば、GM-ITEスコアの高い研修医の多くは、総合診療科ローテーション経験があり、UpToDate等の医学電子教科書の使用経験があることが分かりました。第1部では、GM-ITEデータを活用した研究結果からみえてきた臨床能力を鍛えるための姿勢について、GM-ITEプロジェクトマネージャーの西﨑祐史氏からアドバイスをいただきます。

第2部では内科医としてアメリカの大学で教鞭をとり、日本に戻られてからも東大医学部内科教授、東海大医学部長などを歴任し、日本学術会議会長、日本初の科学担当の内閣特別顧問などの経験を持つ黒川清氏と、ハーバード大学でMPHを取得された経験を持つ群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春氏が、近年の日本の大学の研究業績の低迷、海外に出る若い研究者の減少の問題、そして将来の医師・将来を担う若者たちへの期待をテーマに対談を行います。