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研究課題:研修医の仕事に対するモチベーションに関連する因子の検討

1.研究の目的・方法

欧米では一般教養あるいはリベラルアーツを高校・大学で十分に学んだ学生がmedical schoolに進学する。日本でもリベラルアーツ教育を重視して実践している大学はあるが、日本の医学部は後進である。医学教育モデル・コア・カリキュラムでは、プロフェッショナリズムの中に「教養」という項目があるものの、具体的な提言には至っていない。そのような背景の中で医学を学ぶモチベーションを失ったり、国家試験の重圧に負けてしまったりする学生、あるいは患者対応に悩み調子を崩す研修医の中には、多様な価値観や一般教養に触れる機会がなかったことにより、柔軟な思考力や行動力が足りないケースがあると想定される。本研究では、研修医の仕事に対するモチベーションに関して、2つの角度から評価する。1つ目は、モチベーションの評価尺度である「ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度(UWES: Utrecht Work Engagement Scale)」と、GM-ITEスコアとの関連性である。2つ目は、リベラルアーツとSTEAM教育(※)に関する研修医の現状調査を行い、仕事に対するモチベーションやGM-ITEスコアとの関連性を明らかにする

※「STEAM教育」について:科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・数学(Mathematics)等の教育を統合的に捉えるSTEM教育に、リベラルアーツ(Arts)を重ね合わせた教育理念である。2000 年代に米国より提唱され、日本でも専門知識を実社会での問題発見・解決に生かしていくための横断的な学習方法として、文部科学省や経済産業省が主体となり推進している。

研究期間は、研究実施の許可日より2026年3月31日までとする。


2.研究の対象

2023年度 基本的臨床能⼒評価試験(GM-ITE)を受験された⽅で、研究参加について、⼗分な理解の上、研究対象者本⼈の⾃由意思による同意が得られた方


3.研究に用いる試料・情報の種類

(情報)GM-ITE試験結果、GM-ITE受験者(研修医)の基本情報(学年、性別等)、所属施設データ(病院種別、立地等)と、研究環境調査アンケートの情報(労働時間、自己研鑽時間、入院受け持ち患者数、救急当直回数、希望診療科等)、ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度(UWES)、リベラルアーツとSTEAM教育への興味関心・学習状況・希望進路など


4.研究に用いる試料・情報の提供を開始する予定日

2024年4月1日


5.研究に用いる試料・情報の提供を行う機関

特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構
理事長 黒川 清


6.研究責任者及び研究に用いる試料・情報を利用する者の範囲

順天堂大学 医学部医学教育研究室 先任准教授 西﨑 祐史(研究責任者)
群星沖縄臨床研修センター センター長 徳田 安春
協医科大学 総合診療医学 教授 志水 太郎
自治医科大学 地域医療学センター 総合診療部門 学内講師 山本 祐
千葉大学 地域医療教育学 特任准教授 鋪野 紀好
東京大学医科学研究所 TR・治験センター/先端医療開発推進分野 准教授 野島 正寛
順天堂大学 人体病理・病態学講座 先任准教授 小倉 加奈子
順天堂大学 人体病理・病態学講座 助手 發知 詩織
順天堂大学 医学部医学教育研究室 先任准教授 小川 尊資
順天堂大学 医学部医学教育研究室 助教 関根 美和


7.外部への試料・情報の提供

上記データを特定の個人が識別できないように匿名化し、データファイルとしてセキュリティが確保されたインターネット経由または、電子媒体(特定の関係者以外がアクセスできない状態)で提供を行う。


8.利益相反

本研究については、順天堂大学医学部医学教育研究室の研究費で賄われ、企業等からの資金提供はない。研究責任者の西﨑は、基本的臨床能力評価試験プロジェクトマネージャーとしてJAMEPから謝金を受けている。また、研究分担者の徳田はJAMEPの理事を務め、基本的臨床能力評価試験の査読委員並びにセミナー講師として、JAMEPから謝金を得ている。研究分担者の鋪野は、試験問題作成委員並びにセミナー講師としてJAMEPから謝礼を得ている。研究分担者の志水と山本は、試験問題作成委員としてJAMEPから謝金を得ている。しかし、研究者が企業等とは独立して計画し実施するものであり、企業等が研究結果および解析等に影響を及ぼすことはない。本研究の本学の研究者は、「順天堂大学利益相反マネジメント規程」および「人を対象とする医学系研究に係る利益相反に関する標準業務手順書」に従って、順天堂大学医学部医学系研究利益相反マネジメント委員会に必要事項を申請し、その審査を受けるものとする。各共同研究機関の利益相反マネジメント方法については、所属機関の規程および手順書等に則り、所属機関の利益相反委員会等に必要事項を申請し、その審査を受けるものとする。


9.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて研究対象者もしくは研究対象者の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、「研究目的利用に関する不同意書」に必要事項をご記入いただき、下記の連絡先までお申出ください。その場合であってもそれを理由に不利益を被ることは一切ございません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

特定非営利活動法人日本医療教育プログラム推進機構
東京都品川区大崎1-19-10 大崎KIビル6F
info@jamep.or.jp

研究責任者(研究代表者):

順天堂大学 医学部医学教育研究室 先任准教授 西﨑 祐史