研究課題:職域ソーシャル・キャピタル、インポスター症候群、ペイシェント・ケア・オーナーシップの探索
1.研究の目的・方法
職域ソーシャル・キャピタル(WSC)とは、職場や仕事の付き合いで確立される関係性を表す概念である。インポスター症候群(IS)とは、自分の力で何かを達成し、周囲から高く評価されていても、自らにはそのような能力はない、評価されるに値しないと、自己を過小評価してしまう傾向のことである。ペイシェント・ケア・オーナーシップ(PCO)とは、医師が患者について知り、管理し、その関係形成に感情的に注ぎ込む結果発展する認知-感情状態、すなわち担当医としての責任感や能力を表す概念である。これらは、近年の医学教育文脈で注目されている概念であるが、未だに十分な研究がなされていない。また本邦のレジデントにおけるWSCを測定する量的尺度は、現在8項目版が使用されているが、項目数の少ない短縮版は開発されていない。そこで本研究では、基本的臨床能⼒評価試験(GM-ITE)の試験結果および研修環境アンケートへの回答結果を使用することで、WSC、IS、PCOと種々の因子(臨床的知識量、メンタルヘルス、志望専門科目など)との関連を評価する、およびWSC短縮版を開発する。
2.研究の対象
2024年度基本的臨床能⼒評価試験(GM-ITE)を受験された⽅で、⼗分な理解のうえ、研究参加について研究対象者本⼈の⾃由意思による同意が得られた方
3.研究に用いる試料・情報の種類
(情報)2024年度基本的臨床能⼒評価試験(GM-ITE)試験結果、GM-ITE受験者(研修医)の基本情報(学年、性別、志望専門科目等)、所属施設データ(病院分類、病院規模、病院立地、総合診療科の有無等)、研究環境調査アンケートの情報(日本のレジデント版WSC尺度、the Japanese version of the Leary Impostorism Scale、日本語版PCO尺度、ワーク・エンゲージメント尺度、メンタルヘルス、志望専門科目等)
4.研究に用いる試料・情報の提供を開始する予定日
2025年4月1日
5.研究に用いる試料・情報の提供を行う機関
特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構
理事長 黒川 清
6.研究責任者及び研究に用いる試料・情報を利用する者の範囲
慶應義塾大学医学部 総合診療教育センター 助教 藤川 裕恭(研究責任者)
群星沖縄臨床研修センター センター長 徳田 安春
水戸協同病院 総合診療科 教授 小林 裕幸
水戸協同病院 総合診療科 医師 長崎 一哉
獨協医科大学 総合診療医学 教授 志水 太郎
順天堂大学 医学部医学教育研究室 先任准教授 西﨑 祐史
順天堂大学 健康データサイエンス学部 准教授 坂巻 顕太郎
自治医科大学 地域医療学センター 総合診療部門 学内講師 山本 祐
千葉大学 地域医療教育学 特任准教授 鋪野 紀好
順天堂大学医学部 精神医学講座 准教授 田宗 秀隆
順天堂大学 医学部医学教育研究室 助教 関根 美和
7.外部への試料・情報の提供
上記データを特定の個人が識別できないように匿名化し、データファイルとしてセキュリティが確保されたインターネット経由または、電子媒体(特定の関係者以外がアクセスできない状態)で提供を行う。
8.研究に用いる試料・情報の管理について責任を有する者の氏名
慶應義塾大学医学部 総合診療教育センター 助教 藤川 裕恭
9.お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて研究対象者もしくは研究対象者の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、「研究目的利用に関する不同意書」< https://jamep.or.jp/doc/disagreement.pdf>に必要事項をご記入いただき、下記の連絡先までお申出ください。その場合であってもそれを理由に不利益を被ることは一切ございません。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
特定非営利活動法人日本医療教育プログラム推進機構
東京都品川区大崎1-19-10 大崎KIビル6F
info@jamep.or.jp
研究責任者(研究代表者):
慶應義塾大学医学部 総合診療教育センター 助教 藤川 裕恭