研究課題:研修医のLGBT患者への診療技能や態度に関する研究:横断研究
1.研究の目的・方法
レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)を含む性的マイノリティの患者は、身体的および精神的健康に関して一般集団と比較してリスクが高いことが多くの先行研究で指摘されている。その要因の一つとして、社会的偏見や差別により、適切な医療を受ける機会が制限されていることが挙げられる。さらに、医療者自身の中にもLGBTに対する偏見や無理解が存在することが報告されており、それが医療提供の質に影響を及ぼす可能性がある。そのため、医療者教育の中でLGBT患者への適切な対応を学ぶことは重要であり、特に卒前・卒後教育の場において、患者の多様性を尊重する態度や診療技能の獲得が求められている。
しかしながら、日本国内において、研修医のLGBTに関する知識、態度、および診療技能の現状を詳細に評価した研究はほとんど存在しない。そのため、LGBTに関する医療者教育の実態や効果を明らかにし、より良い医療環境の構築につなげるためには、研修医のLGBT医療に関する理解度や臨床能力を把握することが不可欠である。
本研究では、2025年度新臨床研修医対象GM-ITEでアンケートを行い、LGBTに関する研修医の臨床技能や態度を調査することを主な目的とする。評価尺度として日本語版LGBT-DOCSS(18項目)を用いる。 Bidell氏によって2017年に開発された尺度であり、態度、基礎知識、臨床的準備、臨床トレーニングの4つの下位尺度から構成される。さらに、LGBT-DOCSSスコアと関連する要因やLGBTに関する教育の有無について評価する。関連する要因としては、出身地、出身大学、研修病院の地域や種類、医学部や臨床研修におけるLGBT教育の有無を候補とする。LGBT-DOCSSスコアとGM-ITEスコアの関連についても評価する。
2.研究の対象
2025年度新臨床研修医対象GM-ITE受験者のうち、研究参加について同意を得られた者を対象とする。
3.研究に用いる試料・情報の種類
(情報)2025年度新臨床研修医対象GM-ITE受験者の基本情報、試験結果、アンケートへの回答内容
4.研究に用いる試料・情報の提供を開始する予定日
2025年6月1日
5.研究に用いる試料・情報の提供を行う機関
特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構
理事長 黒川 清
6.研究責任者及び研究に用いる試料・情報を利用する者の範囲
筑波大学水戸地域医療教育センター/水戸協同病院 総合診療科 医師 長崎 一哉(研究責任者)
群星沖縄臨床研修センター センター長 徳田 安春
順天堂大学 医学部医学教育研究室 教授 西﨑 祐史
筑波大学水戸地域医療教育センター/水戸協同病院 総合診療科 教授 小林 裕幸
獨協医科大学 総合診療医学 教授 志水 太郎
自治医科大学 地域医療学センター 総合診療部門 学内講師 山本 祐
千葉大学 地域医療教育学 特任准教授 鋪野 紀好
島根大学附属病院 総合診療医センター 准教授 和足 孝之
順天堂大学 医学部医学教育研究室 助教 関根 美和
7.外部への試料・情報の提供
上記データを特定の個人が識別できないように匿名化し、データファイルとしてセキュリティが確保されたインターネット経由または、電子媒体(特定の関係者以外がアクセスできない状態)で提供を行う。
8.研究に用いる試料・情報の管理について責任を有する者の氏名
筑波大学水戸地域医療教育センター/水戸協同病院 総合診療科 医師 長崎 一哉
9.お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて研究対象者もしくは研究対象者の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、「研究目的利用に関する不同意書」< https://jamep.or.jp/doc/disagreement.pdf>に必要事項をご記入いただき、下記の連絡先までお申出ください。その場合であってもそれを理由に不利益を被ることは一切ございません。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
特定非営利活動法人日本医療教育プログラム推進機構
東京都品川区大崎1-19-10 大崎KIビル6F
info@jamep.or.jp
研究責任者(研究代表者):
筑波大学水戸地域医療教育センター/水戸協同病院 総合診療科 医師 長崎 一哉