コンテンツへスキップ

研究課題:本邦の臨床実習における性別による学修機会と卒後初期の学習成果との関連

1. 研究目的・方法(情報の利用目的及び利用方法)

近年、日本のジェンダーギャップが注目されている。特に医学部入試差別問題を契機として、女性の就業機会や就学・学習機会、さらには政治への参加といった多様な領域における不平等が指摘されてきた。医療分野においても同様であり、女性医師の数は増加しているものの、教授職や診療科長などのリーダーシップポジションに占める割合は依然として低く、医学教育・医師キャリアの各段階における構造的なジェンダー格差の存在が指摘されている。(Akazawa, Fujimoto et al. 2022)
こうした状況を受けて、医学部・医療界においてもジェンダー平等やダイバーシティ推進を掲げた取り組みが各大学で進められ、ダイバーシティ推進委員会等の組織が設置されている。一方で、こうした取り組みが女性医師、とくに大学教員や管理職におけるジェンダーバランスの改善にどの程度結びついているかについては、なお議論の余地がある。実際に、日本のアカデミック・メディシンにおける女性教員やリーダー職の割合は依然として低く、医学部におけるジェンダー平等の推進には引き続き課題が残されている。(Verdonk, Benschop et al. 2009)
こうした議論の多くは、「入試」や「キャリア到達度」といったマクロなアウトカムに焦点を当ててきた。国外では、臨床実習(clinical clerkship)の場で、学生がジェンダーに関連した扱いの違いや学習機会の偏りを経験していることが報告されており、特定の診療科(例:産婦人科、外科など)でその影響が顕在化しやすいことが示唆されている(Babaria, Abedin et al. 2009)。しかしながら、本邦では、臨床実習成績や関連試験成績の男女差(性別差)を検討した報告はあるものの、学生の視点からみた「性別による指導機会の差異」の経験を検証した調査はほとんど行われていない。本研究では、GM-ITE 受験者を対象として、臨床実習中の性別による指導機会の差異・制限(学生自身がそのように認識した経験)と、その後の学習成果との関連を検証することで、日本の医学教育におけるジェンダーギャップの一端を実証的に明らかにすることを目指す。
さらに、研修環境アンケートに含まれるメンタルヘルス関連項目、ならびに 2026 年度試験として研修病院入職直後の研修医を対象に実施される GM-ITE PGY-0試験の成績(総合スコアおよび関連サブスコア)を活用し、研修医臨床実習時に経験した性別による指導機会の差異・制限とメンタルヘルス指標、ならびに基本的臨床能力との関連性も評価する。本研究は個別事案の調査や責任追及を目的とせず、特定の個人・大学・医療機関が識別される形での分析・公表は行わない。卒業大学別・病院別等の組織単位の結果は公表しない。小集団の結果(例:n<5)は公表せず、必要に応じてカテゴリを統合して提示する。自由記載は固有名詞等の識別につながる情報を削除または一般化した上で分析し、原文のまま公表しない。


2. 研究の対象

2026年度GM-ITE PGY-0受験者で、⼗分な理解の上、研究参加について研究対象者本⼈の⾃由意思による同意が得られた方


3. 研究に用いる情報の種類(提供する情報の項目)

(情報)臨床実習時における性別に起因する学修機会に関する調査アンケート項目、GM-ITE PGY-0受験者(研修医)の基本情報(学年、性別、卒業大学等)、所属施設データ(病院種別、立地等)、研修環境調査アンケートの情報およびGM-ITEスコア


4. 情報の取得方法

本情報は、2026年度GM-ITE PGY-0に付随して実施するアンケート調査により取得する。


5. 情報の提供を開始する予定日

2026年6月1日


6. 情報の提供を行う機関の名称及びその長の氏名

特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構(JAMEP)
理事長 黒川 清


7. 研究責任者及び研究に用いる情報を利用する者の範囲

順天堂大学医学部 医学教育研究室 助教 關根 美和(研究責任者)
順天堂大学 医学部 医学教育研究室 教授 西﨑 祐史
群星沖縄臨床研修センター センター長 徳田 安春
水戸協同病院 総合診療科 教授 小林 裕幸
藤田医科大学 総合診療科 講師 長崎 一哉
獨協医科大学 総合診療医学 教授 志水 太郎
自治医科大学 地域医療学センター 総合診療部門 講師 山本 祐
千葉大学 地域医療教育学 特任教授 鋪野 紀好
京都大学 医学部附属病院 総合臨床教育・研修センター 准教授 和足 孝之
国立病院機構 仙台医療センター 医師 鈴木 森香
順天堂大学 医学部 医学教育研究室 協力研究員 Aune David


8. 情報の管理について責任を有する者の氏名

順天堂大学 医学部医学教育研究室 助教 關根 美和


9. 外部への情報の提供(外国にある者に対して試料・情報を提供する場合を含む)

本研究に関連して外部へ提供する情報は、特定の個人を識別できないよう加工された「匿名加工情報」である。匿名加工情報とは、特定の個人を識別することができず、かつ元の個人情報を復元できないよう、個人情報保護法に基づき加工された情報をいう。氏名、受験番号等の直接識別子は削除し、個人を特定し得る情報は除去または一般化する。匿名加工情報は、セキュリティが確保された通信手段(暗号化通信等)またはアクセス制限された電子媒体により提供する。
また、GM-ITE・GM-ITE PGY-0および本アンケートを通じて取得した情報は、将来計画される臨床研修プログラムおよび研修環境の調査・改善を目的とする関連研究に利用する可能性がある。さらに、研究の透明性の確保および学術的検証(再解析・再現性の確認等)を目的として、他の研究機関(外国に所在する機関を含む)への提供、または学術的データレポジトリへの登録を行う可能性がある。これらの二次利用または他機関提供は申請制(制限付きアクセス)とし、利用目的、研究体制およびデータ管理方法を確認した上で実施する。実際に提供を行う場合は、当該研究計画が倫理審査委員会の承認を受けていること、または提供先機関において倫理審査の承認が得られていることを確認した上で実施する。将来の研究内容や提供先となる研究機関に関する情報は、JAMEPのウェブサイト(https://jamep.or.jp/ic)において公表する。


10. 情報の利用又は他の研究機関への提供の停止

研究対象者またはその代理人が研究への不同意または同意撤回を申し出た場合、当該研究対象者の情報は以後、本研究に利用しない。同意撤回は、JAMEPのウェブサイト(https://jamep.or.jp/ic/)より「研究利用に関する不同意書(同意撤回を含む)」をダウンロードし、必要事項を記入の上、下記連絡先へ提出するものとする。
匿名加工情報が作成される前に撤回があった場合は、当該情報を研究利用の対象から除外する。匿名加工情報の作成および外部提供が完了した後は、当該情報は不可逆的な情報となるため、特定の個人に由来するデータのみを抽出して削除することはできない。既に統計的に集計・解析された結果または公表済みの成果から、個別データのみを抽出して削除することはできない。不同意または同意撤回を理由として、研究対象者が不利益を受けることはない。


11. お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先・不同意書提出先:
特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構
〒141-0032 東京都品川区大崎1-19-10 大崎KIビル6F
TEL. 03-6431-8191

研究責任者
順天堂大学 医学部医学教育研究室 助教 關根 美和