研究課題:本邦における医学部卒業直後の初期研修医のインクルージョン準備度(Inclusivity Readiness)に関する調査
1. 研究目的・方法(情報の利用目的及び利用方法)
近年、多様性(diversity)の尊重や包摂(inclusion)の重要性が各国で強調されている一方で、移民・難民、性的マイノリティ、社会経済的弱者などに対する排外的言説や非許容(intolerance)の台頭も報告されている(COMMISSIONER 2025)。医療従事者は、医療現場および教育現場という特性上、政治的・経済的・社会的立場や思想、文化的・言語的背景の異なる患者や家族、さらには価値観やライフスタイルの異なる同僚・指導医と日常的に関わる立場にある。そのため、互いの違いを前提とした相互理解と尊重に基づき、信頼関係を構築しながら医療を提供することは、臨床能力や専門知識と同様に不可欠な基盤的コンピテンスと考えられる(Shah, Behravan et al. 2024)。しかし、医学部卒業直後の初期研修医(PGY0)の段階で、どの程度このようなインクルージョンの準備ができているのか、また多様性やDEI(Diversity, Equity & Inclusion)教育、異文化経験等との関連については、国内外を通じて十分に明らかにされていない。特に、日本の医学生・研修医を対象とした、臨床・教育現場に特化した包括的なインクルージョン準備度尺度は、筆者の知る限り開発・検証されていない。本研究では PGY0 を対象としたインクルージョン準備度尺度を新たに開発し、その信頼性および妥当性を検討する。本研究では医学部卒業直後の初期研修医(PGY0)を対象として、以下を明らかにする。
インクルージョン準備度尺度(IRSEP-10)の開発と信頼性の検討:多様な患者・同僚(例:異なる文化・言語背景、性的指向・性自認、価値観や性格の違い等)に対する態度が「認知的側面・情意的側面・行動的側面」から構成されるとする三成分モデル(tripartite/ABC model)(Rosenberg 1960, Breckler 1984)および、異文化・多様性コンピテンス研究における認知・情意・行動の三次元構成(Sue, Bernier et al. 1982, Deardorff 2006)を背景理論とし、Cognitive Awareness(認知)、Affective Openness(情意)、Behavioral Agency(行動)の3ドメインから構成されることを仮定して、多様な患者・同僚(例:異なる文化・言語背景、性的指向・性自認、価値観や性格の違い等)に対する態度・情緒的開放性・行動意図を測定する10項目からなるインクルージョン準備度尺度(Inclusion Readiness Scale for Early Professionals: IRSEP-10)を作成する。
各ドメインおよび総得点の内的一貫性を評価するとともに、探索的因子分析および確認的因子分析により、仮定した三因子構造の適合度を検証する。
2. 研究の対象
2026年度 GM-ITE PGY-0受験者で、⼗分な理解の上、研究参加について研究対象者本⼈の⾃由意思による同意が得られた方
3. 研究に用いる情報の種類(提供する情報の項目)
(情報)インクルージョン準備度(Inclusivity Readiness)に関する調査アンケート項目、GM-ITE PGY-0受験者(研修医)の基本情報(学年、性別、卒業大学等)、所属施設データ(病院種別、立地等)、研修環境調査アンケートの情報およびGM-ITEスコア
4. 情報の取得方法
本情報は、2026年度GM-ITE PGY-0に付随して実施するアンケート調査により取得する。
5. 情報の提供を開始する予定日
2026年6月1日
6. 情報の提供を行う機関の名称及びその長の氏名
特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構(JAMEP)
理事長 黒川 清
7. 研究責任者及び研究に用いる情報を利用する者の範囲
順天堂大学医学部 医学教育研究室 助教 關根 美和(研究責任者)
順天堂大学 医学部 医学教育研究室 教授 西崎 祐史
群星沖縄臨床研修センター センター長 徳田 安春
水戸協同病院 総合診療科 教授 小林 裕幸
藤田医科大学, 総合診療科, 講師 長崎 一哉
千葉大学 地域医療教育学 特任教授 鋪野 紀好
京都大学 医学部附属病院 総合臨床教育・研修センター 准教授 和足 孝之
国立病院機構 仙台医療センター 医師 鈴木 森香
順天堂大学 医学部 医学教育研究室 協力研究員 Aune David
8. 情報の管理について責任を有する者の氏名
順天堂大学 医学部医学教育研究室 助教 關根 美和
9. 外部への情報の提供(外国にある者に対して試料・情報を提供する場合を含む)
本研究に関連して外部へ提供する情報は、特定の個人を識別できないよう加工された「匿名加工情報」である。匿名加工情報とは、特定の個人を識別することができず、かつ元の個人情報を復元できないよう、個人情報保護法に基づき加工された情報をいう。氏名、受験番号等の直接識別子は削除し、個人を特定し得る情報は除去または一般化する。匿名加工情報は、セキュリティが確保された通信手段(暗号化通信等)またはアクセス制限された電子媒体により提供する。
また、GM-ITE・GM-ITE PGY-0および本アンケートを通じて取得した情報は、将来計画される臨床研修プログラムおよび研修環境の調査・改善を目的とする関連研究に利用する可能性がある。さらに、研究の透明性の確保および学術的検証(再解析・再現性の確認等)を目的として、他の研究機関(外国に所在する機関を含む)への提供、または学術的データレポジトリへの登録を行う可能性がある。これらの二次利用または他機関提供は申請制(制限付きアクセス)とし、利用目的、研究体制およびデータ管理方法を確認した上で実施する。実際に提供を行う場合は、当該研究計画が倫理審査委員会の承認を受けていること、または提供先機関において倫理審査の承認が得られていることを確認した上で実施する。将来の研究内容や提供先となる研究機関に関する情報は、JAMEPのウェブサイト(https://jamep.or.jp/ic)において公表する。
10. 情報の利用又は他の研究機関への提供の停止
研究対象者またはその代理人が研究への不同意または同意撤回を申し出た場合、当該研究対象者の情報は以後、本研究に利用しない。同意撤回は、JAMEPのウェブサイト(https://jamep.or.jp/ic/)より「研究利用に関する不同意書(同意撤回を含む)」をダウンロードし、必要事項を記入の上、下記連絡先へ提出するものとする。
匿名加工情報が作成される前に撤回があった場合は、当該情報を研究利用の対象から除外する。匿名加工情報の作成および外部提供が完了した後は、当該情報は不可逆的な情報となるため、特定の個人に由来するデータのみを抽出して削除することはできない。既に統計的に集計・解析された結果または公表済みの成果から、個別データのみを抽出して削除することはできない。不同意または同意撤回を理由として、研究対象者が不利益を受けることはない。
11. お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
照会先・不同意書提出先:
特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構
〒141-0032 東京都品川区大崎1-19-10 大崎KIビル6F
TEL. 03-6431-8191
研究責任者
順天堂大学 医学部医学教育研究室 助教 關根 美和