基本的臨床能力評価試験シンポジウム 2021
オンライン座談会

2021年9月5日(日)にオンラインで開催しました基本的臨床能力評価試験シンポジウム2021のプレイベントで、2017年度の基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)で上位の成績をおさめられた、現在は医師56年目になる10名の先生方にご参加をいただき、オンライン座談会を行いました。

座談会を試聴をされた先生方から、今回の座談会の内容を現在の研修医や医学生に向けて広く公開・シェアして欲しいといったご要望が多数寄せられましたので、座談会にご参加いただきました皆様に許可をいただきまして、テキストで公開をすることといたしました。

参加医師(50音順):

穐本 昌寛 先生(横浜市立大学附属市民総合医療センター 血液内科)
柴田 真志 先生(飯塚病院 総合診療科)
竹村 弘司 先生(虎の門病院 医学教育部 臨床腫瘍科フェロー)
鳥居  淳 先生(小牧市民病院 循環器内科)
西原 玲央奈 先生(北海道家庭医療学センター所属 浅井東診療所)
根岸 美帆 先生(さいたま市立病院 内科)
前田 一成 先生(湘南藤沢徳洲会病院 呼吸器内科)
丸山 理子 先生(埼玉県立がんセンター 泌尿器科)
三原 雅人 先生(洛和会音羽病院 家庭医療科)
山岸 雅人 先生(熊本赤十字病院 救急科)

司会進行:

西﨑 祐史(順天堂大学 医学部医学教育研究室 先任准教授)
徳田 安春(群星沖縄臨床研修センター長)

JAMEP それではこれからオンライン座談会を開始致します。座談会には2017年度のGM-ITEで上位の成績をおさめられた、現在は医師5~6年目になる10名の先生方にご参加を頂きます。それでは西﨑先生、宜しくお願い致します。

西﨑 本セッションは事前に各参加医師の先生方に提示しておきましたアンケートの質問をベースにディスカッションしていきたいと思います、徳田先生宜しくお願い致します。

徳田 宜しくお願い致します。

  • ローテーションした診療科・ローテーションして良かった診療科

 

西﨑 早速始めていきたいと思います。1つ目の質問は【ローテーションした診療科・ローテーションして良かった診療科】(グラフ参照)についてです。

青の棒グラフがローテーションした診療科、オレンジの棒グラフがローテーションして良かった診療科です。両者の差がある部分は不満足、逆に両者が一致している部分が満足度の高かった科という見方になります。救急・総合診療は比較的満足度が高く、産婦人科・小児科といった部分は満足度が低いという結果が出ています。これを踏まえまして、まずはパネリストの先生方からコメントを頂きたいと思います。穐本先生から順にお願い致します。

穐本 宜しくお願い致します。私がローテーションして一番良かったと思うのはやはり救急科でした。他科を回って特に不満足を感じたことはありませんでしたが。

柴田 印象に残っているのは救急と総合診療科だと思っています。穐本先生同様、他科に不満があったということはなかったのですが、【教育にエフォートを割いてもらった】という記憶が強く残っていて、学ばせてもらえている感覚が特に強かったのがその2つでした。

竹村 現在内科医ですが、内科と救急の研修が良かったと思っています。

鳥居 マイナー科も含めてほぼ全ての科を回りましたが不満足はありませんでした。今は循環器内科ですが、小児科や産婦人科といった自分が診ない層の患者さんが救急医療の先にどういった経過を辿るのかについて各科の研修で触れることができました。そうした経験は内科医として当直もやっている今現在も役立っています。

西原 救急・総合診療の満足度が高かったです。自分が担当医・主治医として前面に出て行ってマネジメントをしていく必要があり、その主体性を持てた部分が特に良かったです。産婦人科や小児科も学術的にはとても面白かったのですが、指導医の後ろにただついていく場面が多かったので、実際の患者さんに接する機会という点では救急・総合診療ほどではなかったように思います。

根岸 アンケートでは救急・総合診療を挙げていますが、どの科も回って良かったと今となってみて感じています。私は今循環器内科で他科から心機能評価等依頼されたりもしますが、その際にも【他科の先生方がどういった治療をどういった目線でやっているのか】という研修医時代に触れることができた視点が大変参考になっています。おそらくそれは他科に進まれた先生方にとっても同様で、それぞれの専攻科の学びを進めていく上で役に立っていくものだと思います。

前田 初期研修医時代は【医者になったという実感】が強い科が働いていて満足度が高く、そうした意味で内科・救急は満足度が高いのかと思います。産婦人科や小児科、他のマイナー科の場合、忙しさの点では内科や救急ほどではなく、比較的自由な時間も頂けます。予め強い興味を持っていればとてもよく学べるのでしょうが、そうでない場合、自由時間を当直明けの睡眠時間に充ててしまったりすることも多かったように思います。今となって振り返ると、もっと上手に学ぶことができたのでは、と思うのですが、やはり当時としては働き方が難しい・満足度が相対的に低いという評価をしていたように思います。

丸山 総合内科がウリの研修病院を選択しましたので、非常に充実した研修ができて、今でもまだよく覚えております。逆に泌尿器科医となった今になって思うのは「産婦人科を回っておけばよかったな」ということです。泌尿器科は産婦人科の先生と関わることが多いので。今回頂いた事前アンケートの結果で産婦人科の評価が低かったのは意外でした。

三原 私が研修した病院も総合診療と救急科が強い病院でしたが、基本的に回ったどの科も面白かったです。今現在患者さんにファーストタッチできる科にいますが、初期研修時代には【ある疾患の患者がどのような症状で来たら、どの科のドクターがどの程度焦るのか】といった処置やコンサルトへ回すスピード感のようなものを重要視して学んでいましたので、回って無駄になったと感じた科はありませんでした。

山岸 他の先生方同様、救急・総合診療科の満足度が高かったです。私もほぼ全ての科をローテート致しましたが、やはりこの2つの科は、専門性の高い他科と比較しても自分が前面に出ていける場面が多く、診療に携われる点が大きかったため、強く思い出として残っているのかなと思っています。

西﨑 ありがとうございました。皆さん成績上位者であることも関係しているのかもしれませんが「勉強にならなかった科は基本的にはなかった」と前向きに研修を捉えてらっしゃる印象を受けました。
 ご意見を伺う中でキーワードが2つほどあったように思います。まず【研修医に主体性とある程度の責任感を持たせて患者さんを診てもらうこと】、もう一つは【ファーストタッチ】、これが研修の満足度を上げている。以上の2つのキーワードが表す要素を救急・総合診療科は満たしているのだと感じました。徳田先生はいかがでしたでしょうか?

徳田 感じたことを二つほど申し上げます。一つには、やはり「成績上位者グループ」ということです。様々な環境で自分達の満足度を高めるような勉強が自らできる。それだけでもかなりのバイアスではあるとは思いますが、そうした中でも指導医がよく工夫して彼等の満足度を高めているな、と感じました。
 もう一つは「スーパーローテーションのメリットはある」ということですね。様々な専門診療科に進む中で、今現在振り返ってみてもスーパーローテーション時の経験がアクティブに皆さんの中で活きているということを感じました。私は以前から【急がば回れ研修医】と言っておりますが、将来の自分の専門科以外の分野を逆に【今しかできない勉強】と捉えてじっくり勉強した上で専門科に落ち着く、そうした回り道をした人が将来的にはイノベーションを起こしたり、他分野で力を発揮したりするのだと感じました。

西﨑 ありがとうございました。研修医のコメントの中で「他科の治療の目線を理解することができた」といった内容が印象的でした。【急がば回れ研修医】は大切なことですね。丸山先生の「今から思えば産婦人科も…」といったコメントもそこに通ずるものがあるのではないかなと感じました。

  • 研修医時代の自己研鑽の方法

 

西﨑 それでは次のテーマに移りたいと思います。次のテーマは研修医時代の自己研鑽の方法についてです。先程徳田先生のお話にもありましたように、【自分でしっかりと勉強する方法がわかっていること】や【誘導してくれる信頼できる指導医の存在】といった点が重要であることは勿論ですが、行政的な視点から見ますと医師にも働き方改革が導入されることになり、【日々の労働時間に更なる制限がかかる中で如何に効率的に自己研鑽の時間を確保するか】も大きく重要なテーマになってきています。こういった状況も鑑みて各パネリストの先生方にコメント頂きたいと思います。

穐本 座学で学ぶというよりは、病棟や手術場で学ぶということの方が多かったように思います。最初に書籍を読んでいてもわからない重要なポイントが、実際の患者さんを診たり、急変の現場に立ち会った際の上級医の動きを見たりした後だと、よりよく理解できる、という経験が多かったです。ですので、なるべく病棟に張り付いているようにしていましたね。働き方改革の流れで今の研修医にはちょっと難しいかもしれませんが、そういった形の自己研鑽を意識してやっていました。

柴田 自己研鑽にあたるかどうかはちょっとわかりませんが、自分の場合、最も記憶に強く残っている学びのタイミングは、2年目になった時に1年目研修医とペアで動いて、そこで自己の知識を教えるという必要性が出てきた時でした。仕事や考え方を1年目の研修医に伝える、という段階で自己の理解度を再認識し、自己学習の必要性にも気づくという経験が多かったです。定期的に2年目が1年目に系統的にレクチャーやハンズオンを教えたりといった病院のシステムにも大きく助けられたと思っています。

竹村 私が研修を受けた病院は「救急は自分で頑張る」といった傾向があり、2年目ともなると1人で救急患者を受けて、帰す判断まで任されるような現場でした。そういった状況下で目の前の症例で困ったことをすぐに勉強するということは必要性に迫られる格好で繰り返し行っていました。病棟も回ってはいましたが、研修医が最悪いなくても回るような状態が保たれている病院だったので、自分の興味のある分野についての座学を行っていることが多かったと記憶しています。論文は読む時間がなかなかとれませんでしたので週に1本NEJMだけは読むようにしていました。

鳥居 竹村先生の病院と救急の雰囲気が似た病院で私も研修を受けましたので、研修医も配置されている人数も決して多くなく、困っているところを手伝いにいったりといったことも比較的自由にできましたので救急医療中心に現場で学んでいました。座学的な勉強の部分については柴田先生同様、1年目の子たちに教えることになったタイミングで経験してきた事柄を系統的に勉強する必要性が出てきて行った感じでした。

西原 私も現場での学びが一番大事かなとは思いますが、敢えて皆さんと違うことを言えば、振り返りを大事にしていた点でしょうか。初期研修医時代も救急外来や一般外来で診た患者さんを全てエクセルで一覧にしてまとめていて、その後の経過を調べる形でフィードバックをもらうということをしていました。皮膚科や産婦人科など外来を後ろで見ているだけという形の研修もありましたが、そういう際も指導医の先生が何を気を付けて診ていらっしゃるのか、病気の説明をどのようにしていたか、などをメモにとりノートにまとめておいて今現在でも振り返ることができるようにしています。

根岸 研修医時代の勉強法として今でも思い出すものが2つあります。1つ目は日々の診療の中で指導医の先生がくださるヒントをきっかけに様々な事柄について調べる、調べた事柄についての疑問を後日指導医の先生にぶつける、というサイクルを繰り返すという勉強法です。こうした日々のディスカッションの中で読むべき文献等についても指導を頂けたりと大変勉強になりました。もう1つは研修医同士で行う情報交換です。救急外来に来た患者さんのカルテを見ながら、なぜこの診断に至ったか、上級医がどういった検査をしていたか、それはどういった理由なのか、などにつきディスカッションを行うことが大変勉強になったと思っています。

前田 私が研修を受けた病院は野戦病院のような現場で、初期研修医時代はとにかく眠かった記憶しかありません。カンファレンスも多かったのですが現実的にはほぼ皆が眠ってしまっていたように思います。結局現場でその都度調べること、読むものが自己研鑽に繋がっていたのかなと思います。業後の時間での座学もやはり睡眠で潰れてしまっていたので、【業務時間内でいかに学ぶか】を重視した勉強法になっていたと思います。

丸山 私も皆さんと一緒で、なるべく病棟で患者さんを診ることや同期同士の情報交換による勉強が主でした。逆に今になって少し気になるのは、学んだことに対する振り返りが少し足りなかったことでしょうか。ある病気に対して、「なぜその治療でその薬が第一選択となるのか」といった事柄についての論文的な裏付けを取るといった勉強をする時間がなかったので、もう少しそうした勉強をしておけば良かったかなと感じています。

三原 基本的には皆さんと同じですが、私の場合は1番最初に回った救急科の指導医の先生に言われた【2学年上の先生を競争相手として意識した勉強をするべき】という言葉が強く記憶に残っています。2学年上というと初期研修が既に終わっている先輩にあたります。そうした先輩と自分を意識して比較し欠落している部分はないか、という意識で臨んだ方が良いという旨のアドバイスでした。レクチャーはたくさんありましたが、どうしても受け身になってしまうので、どちらかといえば受講後の経験を仲間内で共有したりすることを意識していました。また自分が関わって入院させた患者さんについてはカルテを見た上でその後の経過を追って、その先のフィードバックを受けるようにもしていました。

山岸 私もほとんど皆さんと同じです。どちらかといえば野戦病院に近いような病院でしたので、ファーストタッチもよくありましたが、どちらかといえばその後の自己学習であったり、その後の患者さんのフォローを通じたフィードバックで学習していたように思います。皆さんのお話を聞いて、自分の病院ならではのものとして記憶しているものを2つ思い出しました。1つ目は毎日昼、誰かが経験した症例についてNHKのドクターG形式で勉強する、というものでした。個人で経験できる症例を超えて広く様々な症例に触れることができ、大変勉強になりました。もう1つは院外の勉強会です。コロナ禍の昨今では少し難しいかもしれませんが、私は院外の勉強会に参加することがとても多かったです。

西﨑 ありがとうございます。大変参考になるコメントばかりでした。いくつかのポイントがあったと思いますが、まずはやはり【患者さんをしっかり診ることが前提で、そこから出てきた疑問等を自己研鑽に繋げていくこと】が効果的であろうということでしょう。もう1つは柴田先生らが仰ったように、2年目が1年目に教えるという【屋根瓦方式の教育における2年目研修医としての役割を全うすること】が自己研鑽に繋がったというお話も印象的でした。さらにこれも重要だなと感じたのが【研修医同士のコミュニケーション】ですね、教育的な症例は研修医同士でシェアするネットワークが必要ですし、指導医の側としてもそうしたネットワークが機能しやすい環境を提供してあげることが必要かと思いました。最後に一点、これは西原先生が仰ったことですが【振り返りが非常に重要】ということでしょうか。西原先生が熱心だったということもあるかもしれませんが、しっかりメモをとり、後からでも指導医に質問をするということは、プライマリケア外来研修が義務化された現在においても通じる大変いい勉強法だと思いました。徳田先生コメントをお願い致します。

徳田 皆さんのお話をお聞きして思ったのは、「様々な工夫をしながら皆さん勉強している」と。基本的には【患者さんから学ぶ】という姿勢があり、素晴らしいと思いました。中には研修医の頃から既にペイシェント・ログ(オスラー先生が提唱した【担当した患者の記録を取り、ファーストタッチを行った医師がアウトカムまで追う】こと)まで取っていた先生もいるということで、とても印象的でした。耳学問をフル活用できるのは初期研修医であることのメリットですからその辺りもよく活用して欲しいですね。2年目になると teaching is learning の実践という形で自己研鑽をされていた先生が多かったのも印象的でしたね。

西﨑 ありがとうございます。もう一点補足しておきたいのですが、根岸先生のコメントにあったように、指導医がヒントを与え、それに応える形で研修医が勉強・質問を行い、指導医側がまたフィードバックを行うというサイクル、研修医に自発的に考えさせるような誘導をする teaching skill も大変重要だと感じました。

  • メンター

 

西﨑 それでは次のテーマに移ります。次の質問は「研修医時代にメンターはいましたか?メンターがいて良かった点は何ですか?」です。まずメンターの国内外での扱いについて、徳田先生からインフォメーションを頂きたいと思います。徳田先生、お願い致します。

徳田 はい。メンターは指導医の中の役割として認識されているかもしれませんが、実は指導医以外の人達もメンターになることができる、メンターを持つことが様々な分野の学習で非常に役に立つ、ということが分かってきています。特に医師のようなプロフェッショナル職種においては「メンターを持つことが成功の鍵」というリサーチ結果まで出ています。初期研修医の頃からメンターを持つこと、つまりどういう風に探し、持ち、相談していくのかといった実践的な状況を知ることによって、現在効果的なメンタリングのモデルも皆さんのお話を聞く中から見えてくるように思います。是非皆さんの実際の経験を我々にシェアして欲しいですね。

西﨑 ありがとうございました。それでは皆様にコメントを頂きたいと思います。「メンターはいなかった」という答えも頂いてはいますが、その場合はなぜいなかったのか、また今現在はその状況についてどう思っているか、などお聞きできたらと思います。宜しくお願いします。

穐本 メンター制度はありませんでした。学生時代から血液内科医になりたかったので、血液内科の後期研修医の先生や部長によく「研修医の時期にどのようなことをしたらよいのか」「学会発表の時の統計の解析法」など様々なことを相談させてもらっていました。制度としてはなかったけれど、彼等が実質的なメンターだったのだと思っています。

柴田 私の場合も、メンターとして指定されている上司等はいなかったと記憶しています。その後、後期研修で総合診療のプログラムに入りましたが、その時初めて年間を通じて振り返り等を提供してくれる、いわゆるメンターがついてくれるようになりました。その経験から言って、初期研修医時代にもそうしたメンター制度はあった方が良いと思います。目の前で起こる超短時間で発生した患者さんの振り返りとは別に、1年後2年後その先のキャリアを考えた際の長期的ポイントを提示してくれるような存在はいてくれればさらに初期研修の環境は良くなっていくのでは、とメンター指導を受けるようになった今思います。

竹村 様々な先生や医療関係者のお世話にはなりましたが、特定のメンターはいなかったように記憶しています。今考えてみるとあれがメンター制度だったのかなと思うのですが、志望科とは専門の違う他科の先生でお一人、定期的にお声がけを頂いて生存確認のようなことをして下さる先生がいらっしゃいました。

鳥居 竹村先生と同様にメンター制度という名前こそありませんでしたが、志望科とは違う他科の6~7年目の若手の先生お一人と10年目くらいの中堅の先生がお一人、それぞれ「何かあった時の相談先」として割り当てられてはいました。ただ実際システムとしてはよく機能していたとは言えず、たまに面談をやるくらいのものでした。実質的なメンターは一つ学年が上の先輩や仲の良い先生達で、彼等に様々なことを相談しながらやってきたことがよかったのではないかなと思います。

西原 制度としては存在しませんでした。研修医も指導医もともにかなりの数がいる大きな病院だったので、その中で気の合いそうな人を見付けて、業務外でコミュニケーションをとりながら、様々なことを相談したりしていました。結果的にはそれがメンタリングになっていたのかなと今は思います。

根岸 メンター制度はありましたが、メンターの先生と顔を合わせることはほとんどなかったです。代わりに、研修教育の取りまとめをしていた先生がとても話しやすい先生だったので、その先生にローテーションについてであったり、今後の進路について相談していました。ローテーション中のトラブルについては各ローテーション科の部長とその先生に相談をしながら調整・解決していました。今思えば、その先生がメンターの役割を果たしてくれていたように思います。

前田 メンター制度という名前ではありませんでしたが、メンターとしての役割を臨床研修センター長の先生が務めてくれていたように思います。数か月に一度は全研修医と面談をしてくれていましたし、研修旅行などにも同伴してくれて悩み事等は常に聞いてもらえる環境にあったと思います。

丸山 私の場合もメンター制度という名前ではありませんでした。総合内科部長が研修医部長というかたちで定期的な面談を行ってくださいましたし、同期や先輩も後輩も全員でメンターのような役割を果たしてくれていた良い病院だったなと思っています。

三原 私の病院もメンター制度というものはありませんでした。研修医全体に定期的に研修のことについて研修担当の先生が訊いてくださる機会はありましたが、個別に割り当てられたメンターというものはなかったです。そもそも病院全体で研修医を育てるという空気のある病院だったので、ローテーション中の科の責任者に医局で顔を合わせる機会があったりすると、その都度悩み等も含め色々な話を聞いてもらっていましたね。決まったメンターがいるということはそのメンターと気が合えばとても良いのかもしれませんが、そうでない場合、他の先生に相談する際の壁を上げてしまうという問題も含んでいて、なかなかそれは難しい問題だなと、皆さんのコメントを聞いていて感じました。

山岸 公式のメンター制度自体はあって、研修医数名につき一名メンターが割り当てられてはいました。ただあまり機能していたという印象はなかったです。各チーム同士でコミュニケーションの輪を広げていった結果として、若手の先生や他の先生とお話する機会が作れたことが良かったのかなと個人的には思っています。

西﨑 ありがとうございます。今回も貴重なコメントが多く頂けたと思います。印象的だったのは【病院が機械的に割り当てたメンターがメンターとしての役割を果たすわけではない】、といことです。一方で自発的に形成されたメンター=メンティーの関係が非常に効果的な役割を果たしていたようです。様々な先行研究などを見ると、そういった関係、困ったときに相談できる先輩や同僚というものの存在は、能力の開発のみならずバーンアウトの予防等メンタルヘルスの観点からも非常に良いと言われておりますので、もっとより良いメンター=メンティー関係が日本の初期研修制度の中で発展していくと良いなと思っています。徳田先生、皆さんのコメントを受けての印象をお願い致します。

徳田 そうですね、割り当てられたメンターよりも、自分達の中で自然発生的に生まれるメンタリングの関係が初期研修医には合っているのかもしれませんね。去年我々は「成功するメンタリングガイド」という本を出しました。その本の中でも触れましたが最近の基本は「チームメンタリング」です。一対一のメンター=メンティーの関係ではなく多対多の関係性なんですね。メンターもたくさんいればメンティーもたくさんいる中で様々な結びつきを形成するわけです。その結びつきによってメンタリングしていく。
 メンターにも様々な役割がありますが、古典的なコーチングスタイルのコーチもいればコネクター(メンティーが必要としているメンターを紹介してくれる人)もいて、さらにはスポンサー(その時に必要なお金も含めたリソースを提供してくれる人)もいる。
 コーチングといえばプロ野球も有名ですが、あの世界には守備コーチ、打撃コーチ、走塁コーチなど様々なコーチが揃っていて、「〇〇のことは××に聞く」という環境が整っていますよね。こういった環境が医療の世界にも成文化こそされていませんが確実にあって、「最新の文献に関してはこの先生に聞く」といったことや「ニューイングランドジャーナルのケースレコードに関してはこの先生に聞く」といったことはありますよね。こうした環境をメンティーは早く理解した上で上手く活用すべきだと思いますね。色々なメンタリングのやり方があるわけです。
 皆さんもこれからメンターとしての立場になっていかれるわけですが、同時にメンティーでもあるわけです。私であってもそうで、今でもなおメンターでもあると同時にメンティーでもあるのです。是非こういったことを皆さんにも広めていって頂きたいなと思います。

西﨑 ありがとうございました。【自分は一生メンティーでもある】というところが大変印象的でした。同じフィールドのメンター=メンティー関係だけでなく、他のフィールドとの間でそうした関係を構築してもよいのだなと思いました。

  • 1週間の平均労働時間について

 

西﨑 それでは次の話題に移ります。次は「研修医時代の一週間の平均時間外労働時間についてお聞かせください」というものです。これは回答結果にかなりバラつきがありましたので、まず円グラフを共有したいと思います(グラフ参照)。

グラフの黄色の部分(70~80時間)が研修医の最大の時間外労働時間許容範囲(年間時間外労働時間 1,860時間)を含むラインとなりますが、グラフを見てもわかる通り、半数程度の先生が当該ラインを超過した労働時間だったという結果が出ました。これについて各先生方、コメントをもらえますでしょうか。

穐本(60~65時間) 診療科によってバラつきはあったのですが、内科系を回っている時はそれくらいだったかと思います。朝七時半~夜八時過ぎの勤務に当直が週一回程度あったと記憶しています。それで楽しんで仕事はできていたかなと思います。

柴田(80~90時間) かなり診療科によって「この科を回る時はとても忙しいので当直は減らす」「この科は余剰時間が発生しそうなので当直を集中させよう」というような調整は行っていました。調整をミスして当直を集中させすぎて「やり過ぎた」と思うこともあったので、その辺りをスーパーバイズしてくれる制度があればよかったかなと今は思います。

竹村(65~70時間) 研修医1年目は働き方改革が叫ばれるちょうど前にあたっていましたので、割と大変だったと記憶していますが、2年目の頃からは「研修医は当直明けは昼には帰さないといけない」といったルールが明文化されたので大分変わりました。当直自体は夜15時間やって30分~1時間休めるかどうかという感じでした。平日は10時間働いていました。計算すると大体70時間くらいになるのかと思うのですが、ちょうど研修医の労働環境が改善されていくところを経験していたのかなと思います。

鳥居(50~55時間) 当院は当直回数は多く月10回程度はあったのですが、その代わり当直明けは必ず8時半で帰れるルールになっていましたので労働時間としては短かったのかなと記憶しています。ただそれによってローテーション自体の日数は短くなってしまうので兼ね合いが難しいと思います。結果的には体力的にも無理なくこなすことができました。」

西原(65~70時間)科によってバラつきはありました。長い場合は朝8時~夜8,9時、短い場合は9時~17時のところもありました。当直は多めで月8回ありましたので、時間的には長く感じました。個人的には睡眠時間をしっかり確保するようには努めていました。

根岸(90~100時間) 当直が月4回で、土日当番が3回くらいありましたし、夜のオンコールも多かったので、そこで労働時間が長くなってしまったのかなと思います。今は私がいた頃とは変わってきていて、勉強になる場面では積極的に研修医が呼ばれますが、そうでもない場面では呼ばないでおくという形になっているようです。私がいた頃の状態は悪い伝統だったかもしれませんが、個人的に人生経験としては色々と勉強になることもありました。

前田(100時間以上) 当直が月8~10回、あまり忙しくない科をローテートしている時は当直が増えて13回、さらに当直明けに休ませてもらえることもなかったですし、土曜日は通常勤務で日曜は病棟回診がありましたので、有休以外では病院に来ない日はないという状況でした。その有休もほぼ消化できていなかったのでほぼ病院に住んでいるような状況でしたね。ただ、そういった状況が求められるほどに現実的に患者さんは多かったです。今は研修医の数も増えて、一人当たりの負担も若干は減ったのかなと思いますが、働き方改革で病院がどうなるのか今から心配ではあります。

丸山(90〜100時間) 科によってバラつきはありましたね。数時間しか家に帰れない科もあれば、比較的早く帰れる科もありました。早く帰れる科のローテーション時には当直が増えるという形になってはいましたが、週に1日は必ず休めていましたし、当直明けは早めに帰れる状況にはなっていたので、体力的には全く苦ではなかったです。

三原(80〜90時間) 当直は月4~5回、当直明けはお昼以降帰って良いというシステムにはなっていました。ただ鳥居先生が仰っていたかと思いますが、帰ってしまうことで勉強したいと思っているローテーション日数が減ってしまうという葛藤はあり、当直明けの午後に自分が勉強したい循環器のカテや消化器内科の内視鏡検査等が入っていたりすると、自主的に残ったりは結構していました。

山岸(70~80時間) 月8回の当直、当直明けは休んでも良いというシステムになっていました。やはり私も当直明け休んでしまうと勉強できるはずのことができなくなってしまうという葛藤はありまして、どちらかといえば休んでもいいと言われてはいても休まずに病院に出ていくことの方が多かったかなと記憶しています。

西﨑 ありがとうございます。一つのキーワードは【当直明けの休みの確保】、またその一方で【やりがいのある仕事に関しては多少労働時間が伸びても苦ではなくむしろ楽しい】という二面性のある部分でした。管理する側としては難しいところですね。個々人のやる気や体力等に応じて多少臨機応変な対応も必要かなとは思いますが、全体としてみると労働時間の長時間化はメンタルヘルスの問題が出てきますので、その辺りは今後考えていく必要があるのかなと思います。それでは徳田先生、コメントをお願い致します。

徳田 労働時間に関しては、日本と海外で違った側面があります。日本の場合、過労死問題もありましたし、バーンアウトといったメンタルヘルスに与える影響がメインの問題として取り上げられています。一方アメリカなどでは患者安全がメインに取り上げられています。オーバーワークにより医療事故が発生して、労働時間ルール等の規制が研修プログラムにかかるようになりました。そうした中でどうバランスを取っていくのかはとても大事ですね。あまりにも労働時間を制限してしまうと労働者でもあると同時に学習者でもある研修医の不利益となります。そのためにはメンタリングをうまく活用していくのが良いと思います。勉強をする方法は色々あるわけですから、自分にとって利益があるか、組織のルールは逸脱していないかよく考えてlearning experienceを確保していってほしいですね。
研修医が病院を心配するというのも日本らしくて印象的でしたね。日本の労働者によくあるアルトゥリズムだなと思います。これは社会に我々がアピールするべき点だとも思うのですが、今現在コロナ禍で医療従事者不足が叫ばれていますが、元々足りなかったわけです。「働き方改革を推進するのであれば医師数も増やすべきだ」という声を皆があげていけば政府も動かしていけるのではないかと思いました。

西﨑 オーディエンスの先生から質問が出たので、それに対して各先生方わかる範囲でお答え頂けますでしょうか。(質問:当直明け帰らずに自己研鑽した際は時間外手当は出ましたか?病院は認めてくれていましたか?)

穐本 私の頃は当直明け帰るということはなくて時間外もつきませんでしたが、後輩達の話を聞くと、今は帰って良い・かつ残って勤務する場合は時間外もつくといった改善がされているようです。

柴田 当直明けは原則帰る。残る場合は時間外をつけること、というルールでした。

竹村 時間外はつけていませんでした。

鳥居 柴田先生同様で、帰らない場合は時間外をつけることになっていました。

西原 当時研修医が時間外をつけるということ自体がありませんでした。

根岸 時間外はなくて、個人の自由という感じでやっていました。

前田 私の場合も時間外という概念がなかったのですが、この四月からその科の指導医の判断次第でつくようになったようです。研修医それぞれで業務効率は違いますし、適用はシビアなところだと思います。

丸山 時間外という概念がなかったのでわかりません。

三原 私の時は時間外という概念はなくて、2年前くらいから指導医の判断で時間外がつくようになったようです。

山岸 原則自己研鑽という形でした。

  • 初期研修医へのアドバイス

 

西﨑 時間も迫って参りましたので、次を最後の質問にさせて頂きたいと思います。「今の初期研修医へのアドバイス等があったらお願いします」ということで、今話し合ったテーマ以外で宜しくお願い致します。

穐本 まずは手技をしっかりと身に着けることが大事だと思っています。末梢の点滴から始まってCV、腰椎穿刺と色々ありますが、先生によって指導の仕方が違うので、それらを聞きながら自分のモノにして、3年目以降は自分がそれを指導できるようになっておくことです。あとはせっかく色々な科を回るのですから、そこで勉強したことは忘れないでいつでも見返せるような工夫(EVERNOTEを使うなど)をしておくことも良いかと思います。

柴田 色々な人と関わり、皆で学ぶ場があるかと思いますのでそれは大事にした方が良いです。もしない場合は色々な人と情報交換したり交流し、学びのネットワークを構築していくのが良いと思います。一人では継続していくのが難しい学びでも、仲間と一緒に学ぶことで継続していけるので、誰かと一緒に学ぶシステムを大事にしてください。

竹村 研修医になった最初の1年は「自分は大丈夫だろうか」という不安な時期だと思いますし、私もそうでした。2年間研修して思ったことは、その環境で自分ができることをすれば周りとそう大きく差がつくこともない、ということです。

鳥居 伝えたいことは色々ありますが、一番思うのは興味の幅をあまり限定せずに、志望科にとらわれずに研修して欲しいということです。特に2年目後半になって志望科が決まってくると、せっかく救急や内科で色々な患者さんを診れる機会を「自分の志望科とは関係ない」という理由で逃してしまうことがよくあると思うのですが、とてももったいないことだと思います。将来どこの科に行ったとしても、最低限、目の前の患者さんの初期対応・緊急性の判断・コンサルトのタイミングは絶対に外せないところだと思います。それができるのは初期研修の間だけなので、そこだけはしっかりやってもらうのがちゃんとした医者になるための大事な時間の過ごし方だと思います。

西原 目の前の患者さん一人一人を大事にして学んでいくことが大事だと思います。様々な科を回って様々な患者さんに出会えるのは初期研修の間だけです。また、後期研修に入ると「患者さんにどう説明するか・いかに面談をするか」といった患者さんとのコミュニケーションについてや時間の管理といったことについてのフィードバックを受ける機会はなかなかないので、そういった疾患に関するモノ以外の部分でも指導医の先生がどのようにしているかを盗んだり学んだりする機会として初期研修の期間を活用して欲しいと思います。

根岸 今振り返ってみても様々な科を回るということがとても大事だと思います。私は今5年目ですが、この立場で上の先生や研修医の先生たちと話をすると、上の先生は専門的な知識は豊富ですが、他科の知識・他科へのコンサルトのタイミングといった情報についてよく知っているのは研修医の先生なんですね。時間の経過と共にそうした情報も変化はしていくのですが、他科の情報を持っているということはとても重要なことだと思います。
あとは2年目に入ると自由選択がある病院が多いのではないかと思いますが、同じ科を回るとしても違う科を回るとしても、何か「自分が何を学びたいか」についての明確な目的意識を持って回ることが大事だと思います。最後に一点、研修医の強みを活かすということがあります。どんなことでも訊くことができるというのは研修医の特権だと思いますので、どんな小さなことでも恥ずかしがらずに訊いていくのが良いと思います。

前田 成績上位者がこれだけ多彩な、働き方もバラバラの病院から集まるということは、結局は各人の働き方が大事なのではないかなと思います。私は運動部出身ということで部活のような雰囲気の病院が性に合っていたように思いますが、人によっては座学で知識をインプットした上でないと動けない場合もあるでしょうし、その逆に身体をまず動かすことが一番大事という人もいるでしょう。今までの自分の生き方にもよるところが大きいと思います。様々な病院を見学して回るかとは思いますが、結果としては自分に合った病院を見つけるということが一番だと思います。

丸山 泌尿器科医は手術がメインなのですが、抗がん剤治療も行います。免疫チェックポイント阻害薬の副作用で副腎不全の患者さんが急に外来に現れたりして、「これが総合内科カンファレンスでよく出てきた副腎不全か」といったこともままあったりと色々な過去に学んだことが役に立っている印象です。ただやはり過去に学んだことは忘れてしまうので、EVERNOTEや自分のiPadなどにいつでも見返せるように、知識を大切に保管しておくことが大事だと思います。また「健康な身体が第一」ということも今医者をやっていて実感しておりまして、研修医の皆さんには勉強も大切にする一方で身体作りも大切にして頂きたいと思います。

三原 前の先生方がほとんど必要なことは言って下さったので、私から敢えて言えば「2年間で医者の人生が大きく決まってしまうということはそんなにはない」と個人的には思っていまして、皆さんそれぞれのペースで健康第一で興味を持ったところに真摯に向き合って頂くのがいいのかなと思います。自分が困った時に気軽に相談できる人との関係性を作るということも大切ですし、あまり苦手意識を持たずどんな科にも真摯に向き合って頂くのがよいと思います。

山岸 最後ということもあって皆さんと被ってしまうところが多いのですが、やはり自分もこのスーパーローテーションというシステムの一番良い点は他科の考え方を学べるところにあるのかなと思います。最近は初期研修でも選択診療科が増えたと聞きましたが、私はもう一回初期研修を受けるとしてもやはり同様に色々な科を回ると思います。初期研修医の先生方には前田先生が先に仰ったように「個人次第という部分もある」ということを強く伝えたいです。私の場合、昔「学生時代にそんなに優秀な学生でなかったとしても、やる気があればどの病院でも医師として成長できるし、優秀な学生が有名な病院に行ったとしても研鑽意欲が乏しければ必ずしも優秀な医師になれるわけではない」と上級医に言われたことが強く記憶に残っています。この初期研修の2年間が今後の人生の礎にもなると教わって頑張ってきましたので、皆さんもそういった気持ちを胸に頑張って欲しいと思います。

西﨑 気持ちのこもった熱いメッセージをありがとうございました。大きな視点で言うと、まず一つ【自分に合った研修施設を選ぶ】ということが重要で、そのためにはマッチングの際によく情報収集し、見学に行くことなども大事になってくると思います。あとは人とのコミュニケーション、つまり【ネットワーク作り】がキーポイントになるのかと思います。知識のみならず健康面、体力づくり、時間や患者さんに対するマネジメント能力など知識以外の分野の能力開発も、この2年間で意識して行うことが大切なのだなと感じました。細かいところでは手技の重要性もあるかと思います。
さらに専門性にあまり特化しすぎない2年間にして、色々な科で経験を積み、自分が専門科に移った際にはコモンディジーズへの対応がある程度できる医者になることを目指し、少なくともコンサルトのタイミングだけは幅広い領域で身につけることが大切だと感じました。最後に徳田先生に総括のコメントを頂ければと思います。

徳田 皆さん貴重なアドバイスありがとうございました。この内容はまとめて全国の医学生や初期研修医の先生方に聞かせてあげたいような、大変素晴らしい内容でした。今回のシンポジウムに参加されている各病院の先生方がこの内容を持ち帰り、全国の若手ドクターにシェアすることでしょう。とても貴重な内容を具体的な例も挙げてお伝え頂きありがとうございました。
私からは最後に一つだけ、先程ペイシェント・ログのくだりでオスラー先生に触れましたが、彼は色々なアドバイスを残していまして、その一つにグレイス・オブ・ヒューミリティ(謙遜の徳)というものがあります。皆さんは成績優秀者10人、これからの日本の医療をリードする役割があります。その中でも謙遜の徳を持って、チームで医療をやる、国民や患者さんの声をよく聞く、相手の立場に立って考えるという基本的なところをロールモデルとして皆さんがどんどん広めて、世の中を変えるパワーにしていってください。

西﨑 ありがとうございました。

基本的臨床能力評価試験シンポジウム2021 プレイベント
2021年9月5日(日)