コンテンツへスキップ

研究課題:臨床研修医の労働時間およびメンタルヘルスと基本的臨床能力との関連性の検討

1.研究の対象

2020年度 基本的臨床能力評価試験を受験された方で、十分な理解の上、研究対象者本人の自由意思による同意が得られた方


2.研究目的・方法

令和2年1月31日に開催された、第3回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会において、臨床研修制度における医師の働き方改革への対応について議論された。その中で、臨床研修医の労働時間(※)が短縮されることで、経験症例数が減少するなど十分な研修がなされないようになり、医師養成に負の影響が及ぼされることが懸念された。また、適切な労務管理を求められることにより、自己研鑽を含めた研修時間の短縮がなされる懸念も高まっているため、労働時間短縮の取組の中においても研修の質の担保がされるよう、制度として取り組む必要があるのではないかという提案がなされた。
このような潮流の中、我々は2019年の基本的臨床能力評価試験(以下、「GM-ITE」)のスコアおよび研修医の労働時間を用いた研究を行った。週60-65時間の労働時間を基準とすると、基準以下の労働時間ではGM-ITEスコアが減少し、基準以上の労働時間ではGM-ITEスコアは増加しないという結果であった。よって、研修医の教育および健康の観点からは週60-65時間の労働時間を上限にすることが適切である可能性があることが示された。しかしながら、前回の研究では研修医のメンタルヘルスに関する項目を聴取できていなかった。今回の研究では、GM-ITEのスコアと研修医の労働時間の関連性の評価に、前回研修医のバーンアウトと抑うつの評価を追加することで、教育効果だけでなく、研修医の健康の観点をより詳しく評価することを目的としている。よって、私達は、2020年度GM-ITEの結果および研修環境アンケートの結果を用いて、初期研修医の労働時間およびメンタルヘルスと基本的臨床能力との関連性を評価する。
※研修医の労働時間については、医師の資質向上のための教育的側面のみならず、病院のための労務の提供の側面を有しており、労働者に該当することを前提としている。


3.研究に用いる試料・情報の種類

(情報)2020年度 基本的臨床能力評価試験で取得した学年、性別、医療機関種別、試験及びアンケート結果


4.外部への試料・情報の提供

上記データを特定の個人が識別できないように匿名化し、データファイルとしてセキュリティが確保されたインターネット経由または、電子媒体(特定の関係者以外がアクセスできない状態)で提供を行います。


5.研究組織

順天堂大学 革新的医療技術開発研究センター 准教授 西﨑 祐史
一般社団法人群星沖縄臨床研修センター センター長 徳田 安春
水戸協同病院 総合診療科 教授 小林 裕幸
水戸協同病院 総合診療科 医師 長崎 一哉


6.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。また、試料・情報が当該研究に用いられることについて研究対象者もしくは研究対象者の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、「研究目的利用に関する不同意書」に必要事項をご記入いただき、下記の連絡先までお申出ください。その場合であってもそれを理由に不利益を被ることは一切ございません。


照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

特定非営利活動法人日本医療教育プログラム推進機構

東京都品川区大崎1-19-10 大崎KIビル6F

info@jamep.or.jp


研究責任者(研究代表者):

順天堂大学 革新的医療技術開発研究センター 准教授 西﨑 祐史