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研究課題:臨床研修指導ガイドライン改訂に伴う臨床研修医の至適労働時間の変化と指導医の至適労働時間や負担感に関する調査研究

1.研究の目的・方法

医師臨床研修指導ガイドラインは策定後に、継続的に改訂が行われており、2023年度に最新の改訂が行われた(医師臨床研修指導ガイドライン2023年度改訂版)。同改訂版ガイドラインでは臨床研修医の労務や指導医の指導の在り方についてより詳しく言及されている。2024年4月より医師の働き方改革の制度(医師の時間外・休日労働上限規制)が開始される。同制度では、医療機関ではすべての勤務医の時間外労働を「年間960時間以下/月100時間未満」に収めることを目指す。しかしながら、すべての勤務医にこの上限規制を適用することは地域医療体制体制の維持が困難になること、臨床研修等の集中的な技能の修練が難しい医師が出る可能性も考慮される。そのための措置としては、医療機関が担う機能や医師の特性などの条件を満たすことで「年1,860時間以下/月100時間未満」の時間外労働が認められる「B水準」「連携B水準」「C水準」という特例水準が設置されている。
日本医療教育プログラム推進機構(JAMEP)では、これまでに臨床研修医の至適研修環境に関する調査・研究が実施されてきた。同研究では年960-1200時間を超える時間外労働を行なった臨床研修医においてはGM-ITEのスコアの上昇を示さなかったことから、研修効果を最大化する観点からはC-1水準の時間外労働時間の上限年1860時間は今後減少させるのが適当であること、各プログラムは研修医の時間外労働の上限を年960-1200時間になるように研修を構成することが研修医にとって教育と健康のバランスの観点からは適切である可能性が示されている。
そこで本研究では、2023年度基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)参加医療機関のプログラム責任者・指導医等教育担当者を対象にアンケートを実施し、その回答結果および2023年度GM-ITE受験者データ、研修環境調査アンケート結果、JAMEPの保有する病院データベースに含まれる施設データを用いて、臨床研修指導ガイドライン改訂に伴う臨床研修医の至適労働時間の変化と指導医の至適労働時間や負担感に関する調査を行う。


2.研究の対象

2023年度基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)参加医療機関のプログラム責任者・指導医等教育担当者対象アンケートに回答された方のうち、研究参加について、十分な理解の上、研究対象者本人の自由意思による同意が得られた方。また、2023年度GM-ITE受験者のうち、試験結果および研修環境調査アンケート結果の研究利用について同意が得られている方。


3.研究に用いる試料・情報の種類

(情報)アンケート回答者の基本情報、回答内容、2023年度GM-ITE受験者データ(学年、性別、スコア等)、研修環境調査アンケート結果、JAMEPの保有する病院データベースに含まれる施設データ


4.研究に用いる試料・情報の提供を開始する予定日

2024年4月1日


5.研究に用いる試料・情報の提供を行う機関

特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構
理事長 黒川 清


6.研究責任者及び研究に用いる試料・情報を利用する者の範囲

千葉大学大学院医学研究院 地域医療教育学 特任准教授 鋪野 紀好(研究責任者)
群星沖縄臨床研修センター センター⻑ 徳田 安春
順天堂大学 医学部医学教育研究室 先任准教授 西﨑 祐史
水戸協同病院 総合診療科 教授 小林 裕幸獨協医科大学 総合診療医学 教授 志水 太郎
水戸協同病院 総合診療科 医師 長崎 一哉


7.外部への試料・情報の提供

上記データを特定の個人が識別できないように匿名化し、データファイルとしてセキュリティが確保されたインターネット経由または、電子媒体(特定の関係者以外がアクセスできない状態)で提供を行う。


8.利益相反

本研究について、企業等からの資金提供はない。研究責任者の鋪野は、基本的臨床能力評価試験問題作成委員並びにセミナーの講師としてJAMEPから謝金を受けている。また、研究分担者の徳田は JAMEPの理事を務め、基本的臨床能力評価試験の査読委員並びにセミナーの講師としてJAMEPから謝金を得ている。研究分担者の小林は、セミナーの講師としてJAMEPから謝金を得ている。研究分担者の志水、山本は、問題作成委員としてJAMEPから謝金を得ている。研究分担者の西﨑は、JAMEP基本的臨床能力評価試験プロジェクトマネージャーとしてJAMEPから謝金を得ている。


9.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて研究対象者もしくは研究対象者の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、「研究目的利用に関する不同意書」に必要事項をご記入いただき、下記の連絡先までお申出ください。その場合であってもそれを理由に不利益を被ることは一切ございません。


照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

特定非営利活動法人日本医療教育プログラム推進機構
東京都品川区大崎1-19-10 大崎KIビル6F
info@jamep.or.jp


研究責任者(研究代表者):

千葉⼤学⼤学院医学研究院 地域医療教育学 特任准教授  鋪野 紀好