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研究課題:本邦における医学部卒業直後の初期研修医の臨床研究に関する知識調査

1.研究の目的・方法

近年、本邦の臨床研究力の低下が指摘されている。臨床医学コア・クリニカルジャーナル採択数は低迷し、欧米諸国に引き離されている。研究力低下を挽回すべく、本邦の臨床研究を取り巻く環境は著しく変化し、平成27年4月には日本医療研究開発機構(AMED:Japan Agency for Medical Research and Development)が設立され、臨床研究の基盤整備が進み、医療研究の予算管理が一元化された。また、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う病院として「臨床研究中核病院」が、医療法上に位置付けられた。そのような潮流において、共同研究者の真田・西﨑らは、AMED研究班「職種特異的・横断的コアコンピテンシーの連携を活かした効率的な多職種協調型教育プログラム作成及び効果的な多職種共同臨床研究ワークショップ実践に関する研究」にて臨床研究の知識に関する確認テスト8分野50問を作成した。我々はこの設問の正答率をアカデミア所属の研究者、支援者、非特定機能病院に所属する研究者間で比較調査した。その結果、研究責任者は臨床研究支援者と比較して臨床研究に関する知識が不足していることを明らかにした。(参考文献:Sekine, Nishizaki et al. Clinical and Translational Science2022)
そこで、本邦における研究責任者育成(教育)が喫緊の課題であることを強く認識した。そして、研究責任者の育成には、早期介入が必要と考えた。それを実現するためには、まずは、日本の医学部教育における、臨床研究教育の実態調査と、医学部時代に獲得した臨床研究知識の調査が必要だと考えた。そこで我々は、医学部を卒業した直後の初期臨床研修時(0年次)における臨床研究に関する基礎知識の習得状況の調査を提案したい。具体的には、前述のAMED研究班で作成した臨床研究知識を問う50設問のうち医学部卒業前に学習していると考えられる5問を使用する。この5問の抽出方法は、臨床研究に精通した専門家3名(医師2名、医学博士1名)で精査し、識別指数、正答率を加味し、さらに医学部卒業時の知識として質問内容が適しているものとする。その後、日本全国の医学部卒業直後の初期臨床研修医(0年次)を対象に、厳選し抽出した5問の正答率等の調査を実施し、基礎知識習得状況を明らかにする。

研究期間は、研究実施の許可日より2027年3月31日までとする。


2.研究の対象

日本医療教育プログラム推進機構(JAMEP)が実施する、2024年度 新臨床研修医対象 基本的臨床能力評価試験(GM-ITE PGY-0)の受験者のうち、⼗分な理解の上、研究参加について研究対象者本⼈の⾃由意思による同意が得られた方


3.研究に用いる試料・情報の種類

(情報)2024年度 新臨床研修医対象基本的臨床能力評価試験(GM-ITE PGY-0)受験者対象アンケートの回答結果(臨床研究に関する関する項目)、アンケート回答者の基本情報(年齢、性別等)、GM-ITE PGY-0のスコア、研修環境に関する情報(病院種別、立地、病床数、指導医数、患者数等)、各大学のホームページに掲載されている電子シラバスの情報等


4.研究に用いる試料・情報の提供を開始する予定日

2024年5月1日


5.研究に用いる試料・情報の提供を行う機関

特定非営利活動法人 日本医療教育プログラム推進機構
理事長 黒川 清


6.外部への試料・情報の提供

上記データを特定の個人が識別できないように匿名化し、データファイルとしてセキュリティが確保されたインターネット経由または、電子媒体(特定の関係者以外がアクセスできない状態)で提供を行う。


7.研究責任者及び研究に用いる試料・情報を利用する者の範囲

順天堂大学 医学部医学教育研究室 助教 關根 美和(研究責任者)
群星沖縄臨床研修センター センター長 徳田 安春
神戸大学医学部附属病院 臨床研究推進センター センター長 真田 昌爾
順天堂大学 医学部医学教育研究室 先任准教授 西﨑 祐史


8.利益相反

本研究は、順天堂大学医学部医学教育研究室の研究費により実施される。その他の企業等からの資金提供はありません。研究分担者の西﨑は、基本的臨床能力評価試験プロジェクトマネージャーとしてJAMEPから謝金を受けています。また、研究分担者の徳田はJAMEPの理事を務め、セミナーの講師としてJAMEPから謝金を得ています。しかし、研究者が企業等とは独立して計画し実施するものであり、企業等が研究結果および解析等に影響を及ぼすことはありません。本研究の本学の研究者は、「順天堂大学利益相反マネジメント規程」および「人を対象とする医学系研究に係る利益相反に関する標準業務手順書」に従って、順天堂大学医学部医学系研究利益相反マネジメント委員会に必要事項を申請し、その審査を受けるものとします。各共同研究機関の利益相反マネジメント方法については、所属機関の規程および手順書等に則り、所属機関の利益相反委員会等に必要事項を申請し、その審査を受けるものとします。


9.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて研究対象者もしくは研究対象者の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、「研究目的利用に関する不同意書」に必要事項をご記入いただき、下記の連絡先までお申出ください。その場合であってもそれを理由に不利益を被ることは一切ございません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

特定非営利活動法人日本医療教育プログラム推進機構
東京都品川区大崎1-19-10 大崎KIビル6F
info@jamep.or.jp


研究責任者(研究代表者):

順天堂大学 医学部医学教育研究室 助教 關根 美和