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研究課題:日本の初期研修医のインシデントレポート提出の阻害因子についての研究

1.研究の対象

2020年度 基本的臨床能力評価試験を受験された方で、十分な理解の上、研究対象者本人の自由意思による同意が得られた方


2.研究目的・方法

インシデントレポートシステムとはヒヤリハットや有害事象を報告するためのシステムである。このシステムは他の高リスク産業の安全性を向上させたため医療機関でも採用され、収集したインシデントを分析することで、ヒヤリハットや有害事象の特徴や原因についての知識を得ることができ、再発防止に向け取り組んでいる。日本の病院の90%以上が院内でインシデントレポートシステムを確立し、広く運用されるに至っている。一般にインシデント報告数と組織内の安全文化の向上との間には正の相関関係があり、インシデントレポート報告不足は重大な問題と認識され、患者安全における重要の問題の1つとなっている。研修医は教育病院において最前線で診療にあたっている医療従事者の1人である。しかし2019年の調査では研修医の半数のみがインシデント報告の経験を有するのみであり、他職種と比較し一人当たりのレポート数も極めて低いのが現状得ある。
このような状況では研修医を取り巻く安全性の評価は困難であり、至急改善する必要がある。欧米の先行研究でも医療従事者の中で研修医が重大なアクシデントに巻き込まれる可能性が最も高いことから、研修医の安全状況を把握し、かつインシデント報告が何故これほどまでになされていないかについて調査することは我が国の患者安全における最重要課題である。今回、研修医のインシデント・アクシデントの遭遇状況、並びにインシデントレポート報告が進みにくい理由を明らかにすることで, 我が国における研修環境の改善、並びに医療の質と患者安全の教育向上に用いる。


3.研究に用いる試料・情報の種類

(情報)2020年度 基本的臨床能力評価試験で取得した学年、性別、医療機関種別及びアンケート結果


4.外部への試料・情報の提供

上記データを特定の個人が識別できないように匿名化し、データファイルとしてセキュリティが確保されたインターネット経由または、電子媒体(特定の関係者以外がアクセスできない状態)で提供を行います。


5.研究組織

島根大学医学部附属病院 総合診療医センター 准教授 和足 孝之
名古屋大学大学院 医療の質・患者安全学講座 医師 栗原 健
名古屋大学大学院 医療の質・患者安全学講座 長尾 能雅
University of Michigan, Department of Medicine, 准教授 Ashwin Gupta
University of Michigan, Department of Medicine, 准教授 Jeffrey Ronde
順天堂大学 医学教育研究室 先任准教授 西崎 祐史
群星沖縄臨床研修センター センター長 徳田 安春


6.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。また、試料・情報が当該研究に用いられることについて研究対象者もしくは研究対象者の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、「研究目的利用に関する不同意書」に必要事項をご記入いただき、下記の連絡先までお申出ください。その場合であってもそれを理由に不利益を被ることは一切ございません。


照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

特定非営利活動法人日本医療教育プログラム推進機構

東京都品川区大崎1-19-10 大崎KIビル6F

info@jamep.or.jp


研究責任者(研究代表者):

島根大学医学部附属病院 総合診療医センター 准教授 和足 孝之